2004年の粥菜坊開店時、広めたいと強く思っていた広東ならではの食べものが2つありました。ひとつは広東人なら誰でも知っている腸粉(チョウフン)。今では、粥菜坊を訪れるほとんどのお客さんが食べていかれますし、テレビでも何度か紹介されてきたので、そこそこ多くの人に知っていただけたかなとそれなりに満足しています。
そして、もうひとつが雲呑麺(ワンタンメン)です。これは、開店以来17年間ずっとその思いを胸に秘めてるだけで、準備の時間がとれず実現できずにいました。実は、雲呑麺の本場、広州や香港では雲呑が入っていれば雲呑麺というわけではなく、竹昇麺という独特なコシを持つ麺を使ってこそ雲呑麺なんです。雲呑麺は、私の出身地、広州の西関が発祥の地なので、そこは譲るわけにいきません。そして、緊急事態宣言下の自粛期間… 着々とその準備を進め、自粛明けに念願を果たしてメニューに載せることができました。スープは、魚介をベースとして蝦子(シャーズ)と黄にらからも出汁をとったクリアスープ。ぜひ一度はお試し下さい。かなり好評です。