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2019.8.1 粥菜坊の調理のことがわかるページ(随時加筆中)

食材に続き、ここでは調理法や調味料について説明しています。粥菜坊では、腸粉など初めて目にする料理は多いですし、餃子や焼売など知られたものでも他店とは大きく違う料理もたくさんあります。そこで、どんな風に調理をしているのか、どんなことを考えたメニューなのかなど、紹介するページになっています。是非、こちらも目を通してみて下さい。

もくじ
◆はずせない5品
豚肉腸粉
焼売の真実
牡蠣の中華お好み焼き
豚げた肉豆豉(トーチー)蒸し
新鮮海老の湯引き

◆その他
いけてるザーサイ
薬膳粥
餃子
中華ちまき
杏仁豆腐の衝撃
薬膳あんまん
月餅

腸粉

● 腸粉は、お米を原料とする白い部分
お店で、メニューの腸粉を指差して「これ何ですか」とはよく聞かれる質問です。白い部分を腸粉と言って、中にいれる具材により◯◯腸粉と言い、粥菜坊の場合は豚肉を入れてますので豚肉腸粉です。さて、この白い部分の腸粉。うるち米を粉砕して水で溶かし、薄く伸ばして蒸して作ります。なぜ、腸粉と言うかというと、薄く伸ばした生地を丸めて麺状にした元々の形が”腸”に似ていて、お米が原料と言う意味の”粉”と合わせて腸粉というわけです。

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:お米を粉砕して水で溶かし、鉄板の上に流し込みます。2枚目:蒸し器で1分ほど蒸します。3枚目:それをかき集めたものが腸粉です。

● 腸粉は、香港や広州の広東地方のとてもメジャーな点心
腸粉は、広州や香港といった中国広東地方に行けば、とてもポピュラー。小さな飲食店から大きなレストランまで、あちこちで食べることができるメジャーな点心です。だから、広東人であれば誰でも知っています。でも、中国人なら誰でも知っているかというとそうでもありません。腸粉に目のない広東人は多く、広東料理の中でも代表的な料理といえるのです。
● 粥菜坊の腸粉の特徴 – 形
さて、この腸粉。日本でも広東料理のレストランに行けば、出している所も少なくないですが、どの腸粉も同じかというとそうではありません。先ず、形ですが、一般的な腸粉は布を使って作ります。布の上で、薄く伸ばして作った生地をピラッと剥がし、適当な大きさに切って、具を春巻のようにくるんで作ります。粥菜坊の場合、鉄板の上で作り、それを掻き集めて厚みある腸粉を作っています。その方が、腸粉の食べ応えがあって、プルプル感を大いに楽しめるからです。腸粉は日本語でよく”中華クレープ”と訳されますが、粥菜坊の腸粉は厚みがあるのでその訳は適当でなく、”ちょうふん”とそのまま読んで使っています。


(写真) 1枚目:布腸粉。具を春巻みたいにくるんだ形の腸粉。一般的な形で、皮は薄く中華クレープと訳されている形です。2枚目:丸めて切った形の腸粉。 右下にある写真が切る前の丸めた形で、この形が腸粉と呼ばれる由縁です。3枚目:拉腸。ダイナミックに寄せ集めた形の腸粉で、食べ応え十分。日本ではこの形で出しているのは粥菜坊だけかもしれません。

● 粥菜坊の腸粉の特徴 – 味
実は、この腸粉、お店によって味が大きく違います。正確に言うと、腸粉自体はほのかなお米の香りがするぐらいなので、味の鍵はタレ。粥菜坊が腸粉に使っているタレは、広東料理の本場の中の本場、広州の旧市街西関で昔教わった味。タレは若干の甘みがあるため、テーブル上の自家製の辣椒醤(ラージャオジャン)を付けると、味がガラッと変わります。腸粉を食べる際は、是非、辣椒醤もご利用頂きたいと思います。
● 粥菜坊の腸粉の特徴 – 食感
腸粉の食感はものすごく大切です。2004年の開店当初、腸粉をメニューに載せるつもりで自分の要領で作ってみました。ところが、納得できる食感が出せません。中国と日本ではお米が違うため、そのままでは上手くいかなかったのです。いろんなお米を使って試行錯誤し、5年の歳月を経て、やっと納得できる食感にたどり着きます。それが、今お出ししている腸粉です。独特のぷるぷる感は、本場そのままでお出しできていると自信を持っています。

焼売の真実

広州や香港で焼売を注文すると、日本のような挽肉を使った焼売は出てきません。お肉は、手切り肉と言って豚肉のブロックを切ったものを使います(手切り肉とは言いますが、本当に手で切るわけではなく、包丁を使って手作業で切るということです)。日本の焼売のように玉ねぎも使いません。挽肉を使い玉ねぎを入れた作り方では、形は焼売でも作り方はまるで肉まんです。本場では、豚肉以外で入れる食材は海老と椎茸。口に入れた時には、椎茸や海老の香りを先ず感じ、しっかりした豚肉の食感に満足するのが焼売なんです。粥菜坊でお出ししている焼売は、もちろん本場の作り方で作っています。多くの人が粥菜坊の焼売に驚かれます。

≪こうやって作っています≫


(写真) 1枚目:豚肉はブロックからサイコロ切りにします。2枚目:海老は殻を剥いて一つずつ丁寧に準備します。3枚目:椎茸を細かく微塵切りにして、よく混ぜます。4枚目:焼売の皮で包んでいきます。

牡蠣の中華お好み焼き

日本でもカキオコと呼ばれる牡蠣のお好み焼きがありますが、それとは別物。どちらかというと、チヂミに近い感じのものです。「食材を活かす」とは、こういうことを言うんだと思えるほど、味も香りも材料の牡蠣からパワーアップ。テーブルに運ばれた時点の牡蠣の香りだけでも凄い威力を発揮しています。それもそのはず。粉ものですが、粉を溶くのに水は使わず、牡蠣をもみもみして牡蠣から溢れ出てくる汁を使っているのです。牡蠣好きの人には、たまらない一品。是非お楽しみ下さい。

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:生牡蠣を細かく切ります。2枚目:葱やキャベツを加えて手でもみもみ。水分は牡蠣から溢れ出てきたもので、水は加えません。3枚目:粉を加えてフライパンに流し込んで焼いて作っています。

豚げた肉の豆豉(トーチー)蒸し

豚げた肉は、豚肉の中で一番美味しい部位ではないかと思っています。味もさることながら、食感もしっかりした部位です。そんな豚肉を豆豉で蒸してお出ししています。豆豉の香りと相まった豚肉の香りが漂います。そして、ぜひ一緒にお食べ頂きたいのが、豚肉の下に敷いているお芋や野菜などの食材。豚肉から出る汁・香りが染み込んで美味しくなっているからです。下に溜まったスープも惜しくて全部飲む方も多くいらっしゃいます。是非、豚肉だけでなく丸ごとお楽しみ下さい。

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:豚肉の塊から下駄肉部分をカット。2枚目:豆豉(トーチー)で味付け。3枚目:せいろに入れて蒸します。下に敷いている食材も是非お食べ下さい。肉汁と豆豉が染み込んで美味しいです。

新鮮海老の湯引き

温暖な東南アジアや華南地方では海老が豊富。レストランではさっと茹でただけの海老がよく食べられています。何の手も加えてないので、海老本来の旨さがよくわかり、さらに中国醤油ベースのタレを絡めてひと味変えて食べるものです。粥菜坊では、皮もそのまま食べれる海老を使っています。目玉もヒゲも尾っぽも全部食べてしまう方もたくさんいらっしゃいます。確かに、そのまま食べてしまいたくなるような綺麗な色をしています。海老本来の美味しさをご堪能下さい。

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:使っている海老。2枚目:さっと熱湯を通すだけで、何の手を加えるわけではありません。それだけですが、凄く甘いんです。

いけてるザーサイ

一番最初によく頂く注文ですが、ある意味、この一品で粥菜坊を理解できます。というのは、粥菜坊では外部から買ってきたザーサイをそのまま出すことはせず、ザーサイですら粥菜坊でしか食べれないものに作り変えているからです。ザーサイは塩漬けにして作るものですから、そのままでは結構塩辛いんです。ザーサイ丸ごとを切ってからしっかり塩抜きをして、辣椒醤を使って独自の味付けをし直しています。他店とは違うザーサイですから是非ご注文頂きたくて、目立つように「いけてるザーサイ」とネーミングしています。ぜひ、食べてみて下さい。

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:外部から買ってきた漬物となったザーサイをホールから切ります。2枚目:塩気をいくぶん残す程度に塩抜きをして、唐辛子でピリ辛に味付けをしています。

薬膳粥

薬膳粥を作るに際して、青.黒.赤.黄.白といった色にポイントを置いているのには意味があります。漢方の世界では、おおまかに言って、青は肝臓や胆嚢、黒は腎臓、赤は心臓や小腸、黄は脾臓や胃、白は肺や大腸に良いとされているからです。それらを考えに入れながら、食材の組み合わせで美味しさを引き出すことを考えています。また、漢方同士でも組み合わせによっては効果を打ち消しあうこともあるので、そんなことがないようにも考えています。
● 青玄米粥-翡翠
原料: 青玄米、緑豆、貝柱、通常の玄米、豚肉、はと麦。青玄米は成長に向け栄養豊富な若玄米を、さらに発芽させた玄米。通常の玄米よりもエネルギーがぎっしりなんです。緑豆もたっぷり使ってむくみにも効果的。脂肪の吸収を抑え、コレステロールや血圧の数値を下げる効果も期待できます。
● 黒米粥-山水
原料: 黒米、黒豆、ハチノス、玄米、黒胡麻、落花生、はと麦。黒米は、若返り作用があり記憶力を高めるため歴代皇帝に献上されていた古代米。血管を保護し動脈硬化を予防するアントシアニンを多く含んで黒色をしています。また、黒豆等黒色の食物は、ホルモンバランスを整え生殖機能を高め女性に適すとされる他、貧血改善効果も期待できます。
● 赤米粥-牡丹
原料: 赤米、あずき、干し牡蠣、玄米、クコの実、もち麦、はと麦。赤米も古代米の一種で、老化防止、美肌・ダイエット効果があり、血糖値を抑えるカテキンが多いため赤色をしています。また、その栄養価から“海のミルク”といわれる牡蠣、老人病の妙薬といわれるクコの実も入って、ストレスを解消し、体の免疫力も高める充実したお粥です。
● 玉米粥
原料: とうもろこし、ひよこ豆、イチジク、玄米、鶏肉、高粱(コウリャン)、粟、はと麦。日本人の死因第1位の癌の予防や、抗癌作用を主に考えて作ったお粥です。抗癌以外でも、免疫力を高める、むくみを取る、腸を整えるなど作用が豊富で、体の健康・美容を維持するお粥です。
● 杏仁薬膳粥-雪華
原料: 杏仁、白きくらげ、イチジク、豚肉スペアリブ、白米、牛乳。杏仁豆腐で知られる杏仁は、実は咳を沈めるなど気管支をはじめ、体にとても良い漢方です。美肌や体全体の健康を考えてお粥にしました。杏仁豆腐はデザート用に甘くしたもので、この杏仁粥はそれほど甘くはありません。
粥菜坊が常時ご用意している薬膳粥は上記の5種類。それぞれまるで違う味です。ひとつひとつ順番にお試ししてみてはいかがでしょうか。

餃子

● 餡は動物性脂肪がほとんどありません
肉汁多めの餃子は、脂多めの肉を使ったりラードを入れれば簡単に作れますが、粥菜坊の餃子はその逆を行きます。各野菜の香り・味を楽しんで頂くため、肉は塊から脂身を取り除きながら自分で挽いて作っていて肉汁は極少に抑えています。一般的には、健康のため動物性脂肪を避ける傾向があるので、それにも添うものと言えます。だから、どの餃子もいくらでも食べれるほどあっさりしてますし、味だけでなく香りも楽しんで頂ける餃子です。
● 皮は粥菜坊のレシピで作っています
皮は粥菜坊のレシピで業者に作ってもらっています。是非、他の餃子と皮のモチモチ感を比べてみて下さい。
● お醤油はつけない方がお勧めです
醤油は調理の過程で適度に使用済みですし、各種野菜の風味を楽しむためにも食べる際はお醤油をつけない方がお勧めです。テーブル上に醤油を置いてはいますが、醤油を使用すると、せっかくの色んな種類の野菜が、どれも同じような味になってしまいます。そのまま食べて頂いて十分美味しい餃子に仕上げてますので、是非醤油は使わず食べてみて下さい。
● 粥菜坊の餃子は36種類
粥菜坊が作る餃子は以下の通りです。
常時メニューにある餃子
セロリと鶏肉の餃子、にんにくの芽の餃子、椎茸と鶏肉の餃子、にらの餃子、キャベツの餃子、海草の餃子、にんじん.大根.海鮮の餃子、ケールの餃子
時期や状況で特別メニューに載せる餃子
きゅうりの餃子、黄にらの餃子、パクチーの餃子、みょうがの餃子、赤紫蘇の餃子、生らっきょうの餃子、おくらの餃子、芹(せり)の餃子、蕗(ふき)の餃子、蕗のとうの餃子、蓬(よもぎ)の餃子、紫芋の餃子、のらぼう菜の餃子、小松菜の餃子、茎わかめの餃子、大葉子の餃子、ミックス茸の餃子、菜花の餃子、ラム肉の餃子、かぼちゃの餃子、あさりの餃子、牛肉白菜の餃子、ほうれん草の餃子、黒胡麻ともやしの餃子、コールラビの餃子、紫蘇の実の餃子、松茸の餃子、原木椎茸の餃子

≪こうやって作っています≫

(写真) 1枚目:脂分を少なめにするため、肉は自分で引いています。2枚目:水っぽくならないように野菜は器械を使わずに包丁で切ります。3枚目:肉に玉ねぎを混ぜ、調味料で味を調整します。4枚目:肉に切った野菜を混ぜます。5&6枚目:器械で包む餃子もあれば、手で包む餃子もあります。7枚目:手包みはぎっしり包めるため、機械包みに比べ2倍ぐらいの具が入っています。

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(動画) 粥菜坊の餃子の包み方です。皮に具をのせて、皮のふちに水をつけます。先ず右端を親指とひとさし指でつまんで、左手の人さし指でひだを寄せ、そして右手の人さし指ではさみます。その調子でリズミカルにひだを作っていきます。最後に手前を押すように丸っこく形を整えて出来上がり。粥菜坊の手包み餃子は、1個30~32グラム程度です。

中華ちまき

研究熱心はお客様は、粥菜坊で食材に何を使っているのかお話ししながら食事をしています。その中で、まず分からないでいるのが、中華ちまきの中に入ったほくほくした黄色の食材。ほくほく感からお芋系や栗かと思う方が多いようですが、実は緑豆です。緑豆は皮を剥くとなんと黄色をしているのです。見た目まるでトウモロコシのようなのです。中国医学的には、緑豆は夏バテ防止にベストな食材。美味しくて夏バテが防げれば最高です。是非、中華ちまきをお試し下さい。

≪こうやって作っています≫
YT
(動画) 粥菜坊では、ナマの食材を笹の葉で包んで茹でて作っています。しっかり包んでいるので、茹でても中身が出てくることはありません。動画の中で、粽の中には順番に、もち米・緑豆・落花生・椎茸・豚肉・緑豆・もち米を入れています。

杏仁豆腐の衝撃

誰でも知っている杏仁豆腐。でも、驚くことに、本当の杏仁豆腐を食べたことがある方はほとんどいません。ちまたで杏仁豆腐と言われているものは、杏の種(これを杏仁といいます)を使ったものではなく、アーモンドを代用して作っています。杏仁がそれなりに高価なため、アーモンドエッセンスを使うのですが、薬膳料理である杏仁豆腐の本来の効用はなくなってしまっています。粥菜坊の杏仁豆腐は、もちろん杏の種を使って作ったもの。自然で濃厚な杏仁の香り、味が楽しめます。

薬膳あんまん

粥菜坊のあんまんは独特。小豆の餡に加え、黒豆、なつめ、落花生、クコの実が入っています。こんなにいろいろ入っている餡も珍しいですが、なんと言っても、甘さが適度に抑えられた小豆餡がとても評判。あんこの苦手な方でも、その美味しさに驚きながら食べているようです。さて、この餡。実は、月餅-気で使っている餡と全く同じもの。でも、蒸した場合(あんまん)と焼いた場合(月餅)で、こんなに食べた感じが違うんだと驚かされます。機会があったら、是非比べてみて下さい。

月餅

月餅って機械で作りそうですが、粥菜坊ではひとつひとつ丁寧に手作りしています。その大きさに驚く方も多いのですが、中国の標準サイズ。点心の本場広州と同様、皮は薄く、餡はしっとりして甘さも適当に抑えた月餅を作っています。
種類は6種類。
● 月餅-黒 黒胡麻あん。日本ではオーソドックスな味ですが、日本のより濃厚に感じると思います。
● 月餅-白 蓮の実あん。中国でオーソドックスな味。
● 月餅-紅 皮付き蓮の実あん。ハスの実は落花生みたいに赤い渋皮ができます。その皮ごと練ったのが紅。老化防止や美肌に効き、渋味が加わります。
● 月餅-仁 紅にくるみをいれたものです。
● 月餅-気 「気を補う」をテーマに作った薬膳餡。小豆の餡に、黒豆.なつめ.クコの実.落花生をいれたかなり充実した中身です。
●月餅-美 「美を磨く」をテーマに作った薬膳餡。杏の種から抽出した杏仁(キョウニン)で作った餡に、生姜と百合根を入れています。生姜の辛味がきいて、甘味と辛味が共存する面白いあんこです。

≪こうやって作っています≫
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(写真) 1枚目:あんこを入れたお団子を作ります。2枚目:月餅の型で、月餅の形にします。3~5枚目:オーブンで焼きます。6枚目:ビニールの袋でラッピングします。

2019.8.1 粥菜坊が使う食材のことがわかるページ(随時加筆中)

中華料理は食材、調理法、調味料、どれをとっても実に多種多様。粥菜坊でも、普段目にしない食材をたくさん使っています。そこで、ここでは食材にスポットを当てて、どんな風に使っているのか、どう身体に良いのかなどを交えながら、いろいろ説明しています。食事をしながら、使われてる材料のことを考えるのも楽しいものです。料理をより楽しく食べる一助になれば嬉しいです。

もくじ

◆野菜・根菜・きのこ類
朝鮮人参
黄韮(きにら)
梅菜(うめな)
きくらげ
白きくらげ
生らっきょう
原木椎茸

◆穀物・豆類・種子・木の実類
発芽青玄米
緑豆(りょくとう)
クコの実
皮付き蓮の実
杏仁(きょうにん)
竹昇麺

◆花類
イチジク
金針菜(きんしんさい)
金木犀(きんもくせい)

◆肉類・海鮮類
蝦子(シャーズ)
干し牡蠣
豚げた肉
咸魚(ハムユー)
叉焼(チャーシュウ)
金華ハム

◆調味料・ソース類
赤いお酢”大紅浙醋”
チキンソース

朝鮮人参

《メニュー》紅参スープ(裏メニュー、4時間前要予約)、朝鮮人参粥、朝鮮人参片烏龍茶、白参スープ
古来から不老長寿の神薬、万能薬と言われてきた朝鮮人参。朝鮮人参はクセがあるとの先入観で避ける方が多いのですが、それはあまりに残念です。実際、粥菜坊ではお粥でも中国茶でも一番人気は人参を使ったもの。その理由も、身体に良いからというよりも、美味しいからなんです。実は、人参は種類豊富で、品質の高い人参は、甘くてとても美味。クセなんて感じません。特に、高級な赤い人参は甘くて美味しく、粥菜坊でもスープでお出ししています(紅参スープ、4時間前に要予約)。日常的に使っているのは白い人参ですが、それでも十分美味しいと思って頂ける人参を使っています。身体への効力はよく知られている通り。体調が悪くなると、一目散に人参粥を食べに来店するお客さんも多いです。また、人参片烏龍茶を日常的に飲むようになって、調子が良くなったって報告下さるお客さんもたくさんいますし、人参片烏龍茶をお店で飲んで、お土産に持ち帰る方も大勢います。それだけ、その美味しさに驚くからです。是非、人参に対する先入観をもたず、粥菜坊で人参の素晴らしさに出逢ってみて下さい。


(写真)紅参スープで使っている赤い人参。このまましゃぶっても甘くて美味しいです。

黄韮(きにら)

《メニュー》黄韮と海老の春巻
中華料理で使われる黄にら。白っぽい黄色をしていて、甘みがあり韮とはまた違った野菜です。日本ではあまり目にしないため、どう作られているかご存知の方はそう多くと思います。実は、黄にらも韮なのですが、育て方の違いにより、色も味も違うものに育ちます。左下の写真2枚はにらの畑の中ですが、一部で被せものをしてるのがわかりますでしょうか?その部分で日が当たらないようにして、黄にらを育てているのです。朝、日が当たる前に被せものをして、日が沈んだら空気も必要なのでその被せたものを取ります。失敗すると、やはり緑の普通の韮になってしまいます。こんな大変なことを毎日繰り返すんです。日本でも、稀にスーパーで見かけますが、その育て方の苦労を知れば高い値段に納得です。


(写真)1&2枚目:にらと黄にらの畑。3枚目:お取り寄せしたばかりの黄にら。

梅菜(うめな)

《メニュー》梅菜と鶏せせりの蒸しもの
中国語で梅菜と言うのですが、梅とは関係ありません。菜っ葉の漬物を干したもの。広東省梅州や恵州の特産で、梅菜を使った料理は広東地方の伝統的郷土料理のひとつ。コリっとした食感があり、粥菜坊では鶏のセセリ(首の部分)と一緒に蒸してお出ししています。梅菜は、広州の食卓でもよく使うバリバリの郷土料理。ぜひ、日本の皆様にもお試し頂きたい一品です。


(写真)香港の市場で見つけた梅菜

きくらげ

《メニュー》きくらげのチキンソースうま煮
きくらげは、クラゲを思わせる食感からきくらげと言いますが、木で育つキノコ。八宝菜とかによく入っています。ただ、粥菜坊が使っているきくらげに驚く人は少なくありません。よく目にするふにゃふにゃで小ぶりのきくらげとは全然違って、大きくて肉厚なシャキシャキのきくらげを使っています。でも、特別に取り寄せているわけでもなく、普通のスーパーで購入しています。食感は面白くて印象的なのですが、味や香りはあまりありません。そこで粥菜坊では、鶏ガラから煮出したチキンソースを絡めて、チキンソースのうま煮にしてお出ししています。

白きくらげ

《メニュー》金木犀入り白きくらげと卵の炒め、杏仁薬膳粥-雪華
白きくらげは、中国では古くから食されてきたキノコで、潤いを補う効果が高く、老化防止、滋養強壮などまさに女性に最適な漢方食材。中国医学では、肺は皮膚と密接に関連していて、肺を潤す白きくらげは美肌をもたらして美容に最適とされ、黒いきくらげが血を補う効果が高いのとは違った効能を持つのです。さて、そんな白きくらげ。柔らかい食感を持っていて面白いですが、味は淡白。そこで、粥菜坊では卵とふんわり炒めて金木犀の香りをつけたり、薬膳のお粥で使っています。


(写真)1枚目:乾燥した白きくらげ。2枚目:先ずは水でもどしてから使っていきます。

生らっきょう

《メニュー》生らっきょうと叉焼の炒め(夏限定)、生らっきょうの餃子
日本では中国と比べると、限られた使い方しかしない食材も少なくありません。らっきょうもそのひとつ。らっきょうというと、カレーによく添えられている甘酢漬けが思い浮かびますが、それ以外の料理はというとあまり目にしません。でも、生らっきょうは加熱すると甘さが出るし、独特の風味や食感が味わえます。生らっきょうが食べらる時期は夏に限られます。スタミナの補給にもなるし、夏には是非、生らっきょうの炒めを食べてみて下さい。


(写真)1枚目:ひとつひとつ皮をむき、先端と根を切ります。2枚目:水で洗ってしっかり乾かしてから保存します。

原木椎茸

《メニュー》原木椎茸と鶏肉の餃子
椎茸には、「原木椎茸」と「菌床椎茸」があるのをご存知でしょうか?
皆さんが、普段スーパーで目にするのは菌床椎茸で、原木椎茸を目にすることはまずありません。原木椎茸の生産量は菌床椎茸のそれに比べて圧倒的に少なく、めったに市場に出回らないからです。
では、この2種は何が違うのでしょうか?栽培方法が違うんです。菌床椎茸はおがくずを固めたブロックに菌を入れて人工的に育てるのに対し、ナラやクヌギといった原木に菌を打ち込んで自然発生させるのが原木椎茸です。前者は3~6か月で収穫できるのに対して、後者は2年以上の手間をかけて育てます、もちろん、原木の栄養をたっぷり吸収し、美味しさや香りそして栄養価の高さを誇るのが原木椎茸で、粥菜坊の餃子で用いている椎茸は原木椎茸の方です。

  
(写真)1枚目:粥菜坊が自ら菌床椎茸の収穫に出かけることもあります。2枚目:ほだ場(椎茸の畑のこと)で、生産者の方に原木椎茸の育て方をお聞きしました。3枚目:原木が並ぶほだ場

発芽青玄米

《メニュー》青玄米粥-翡翠
青玄米は、育ち盛りの若い玄米。玄米になる前の成長期なのでエネルギーがいっぱいです。色は緑色をしているため青玄米と呼ばれますが、そんな生命力いっぱいの青玄米を、さらににがりを使って発芽させたのが発芽青玄米。発芽させると、酵素が活性化して出芽のために必要な栄養素を玄米の中に増やすので、普通の玄米よりも何倍もの栄養素が凝縮された特別な玄米になるんですです。粥菜坊の青玄米粥-翡翠は、そんな発芽青玄米を使っています。

緑豆(りょくとう)

《メニュー》青玄米粥-翡翠、中華ちまき、麻辣粉皮(原料として)
夏ばて対策にはずせません!中国医学では、体内の湿気の過剰が夏バテの原因とされています。そんな余分な湿気を体外に出すために、ベストな食材のひとつが緑豆。暑い広州や香港では、街中のスタンドで緑豆を使ったスィーツが販売されているのはそのためです。日本では、春雨とかの原料として食すことはあっても、緑豆そのものを入れた料理はあまりありません。緑豆は夏バテ対策にはずせません。是非、暑い時期は、機会があれば緑豆を食べてみて下さい。


(写真)1枚目:緑豆。2枚目:広州や香港では、街中に漢方のお茶やデザートを提供するお店が点在して、緑豆のデザートも置かれています。3枚目:粥菜坊でも、緑豆のデザートを作る時があります(写真は、落花生と緑豆のデザート)。

クコの実

《メニュー》赤米玄米粥-牡丹、薬膳あんまん、クコの実のお酒
甘みあり、ほのかな酸味ありのクコの実。色添えにもなるし見た目も可愛いうえ、ビタミン豊富で美容効果もあるため、薬膳の材料としても重宝される食材です。ただ、料理やデザートの中で主役になることは少なくてあくまで脇役ですが、粥菜坊はドリンクで主役に置いてみました。

皮付きの蓮の実

《メニュー》蓮の実餡の胡麻団子、月餅-紅、
蓮は、花が散った後、シャワーヘッドのような形の花托(かたく)の中に種をつけます。それが蓮の実で、皮と芯を剥いた白い実は日本でも中華の食材店に行けば目にします。ところが、粥菜坊が使うの赤い蓮の実は、中国でも日本でも滅多に目にしません。なぜ、赤いかというと、皮が乾燥すると赤い色になるのです。では、なぜ白い方が一般的かというと、皮は渋みがあり、芯は苦みがあるため、皮も芯も取り除いたものが売られているのです。実は、健康的には、赤い方がずっと身体に良いものなんです。皮や芯には老化防止や自律神経安定などの別の効能があるし、芯は漢方のお茶(蓮芯茶)として別に売られるほどです。皮や芯にある渋味や苦味も、デザートの場合には甘味と相まって全く気になりません。ぜひ、他ではまず食べられない赤い蓮の実をお試し下さい。


(写真)1枚目:ハスの実はこんな感じで穴の中にできます(写真はハスを模した茶具)。2枚目:白いハスの実は皮も剥かれ、芯もくり抜かれています。3枚目:赤いハスの実はそのまま乾燥させたもので、白のハスの実よりたくさんの効能があります。

杏仁(キョウニン)

《メニュー》杏仁薬膳粥-雪華、杏仁豆腐の衝撃、月餅-美、杏仁のお酒
自宅で杏仁豆腐を作ろうとしてスーパーで杏仁豆腐の粉を買うと、原材料に杏仁と書かれています。でも、ほとんどのケースでそれはアーモンドの意味。杏の種という意味の杏仁ではありません。アーモンドも中国語で杏仁と言うため、漢方の世界では杏の種という場合はキョウニンと言って区別します。キョウニンは体にとても良い漢方で、特に気管支に効き、杏仁豆腐も実は薬膳料理なのです。キョウニンはそれなりに高価格なので、いつの間にか代替的に安価なアーモンドが使われるようになったみたいです。粥菜坊で使っているのは、もちろんキョウニン、濃厚で自然な本当の杏仁の味がお楽しみ頂けます。


(写真)1枚目:キョウニンの杏仁。2枚目:なるほどアーモンドに似ていますが、かじってみると違いがわかります。杏仁豆腐はこの味でなければと思ってしまいます。

イチジク

《メニュー》杏仁薬膳粥-雪華、薬膳あんまん
柔らかな酸味と上品な甘みが特徴のイチジク。しかも、あのツブツブの食感が面白さを与えてくれます。そんな美味しくて面白いイチジクですが、乾燥させたものは無花果(ムカカ)と呼ばれる生薬で、高血圧や動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞も予防すると言われています。漢方である上に、美味しく食感が面白いとなれば、使わない手はありません。特に、デザートには最適なはずで、あんまんに入れてみました。正解でした。薬膳あんまんは、かなりお勧めです。


1枚目:乾燥したイチジク。2枚目:中には花や種子があります。プチプチ感がたまりません。

金針菜

《メニュー》金針菜と海老または叉焼の炒め
金針菜は、百合の花の蕾。形を見ると、大きくなれば百合になっていくのが想像できる形をしています。味は、甘みあり若干の苦みありで、他の野菜にはない面白い味をしています。さて、この金針菜。乾燥したものは漢方に使うので、日本でも中華食材のお店に行けば入手できます。ところが、生の金針菜は日本ではまず見ないと思います。粥菜坊では常時、東南アジアから輸入していて、いつでもお出しできるようメニューにも載せています。緑野菜が欲しくなった時は、是非食べてみて下さい。


(写真ら)1枚目:野原で見つけた百合の花の蕾(食べれるかどうかはわかりません)。2枚目:お取り寄せしたばかりの生の金針菜。3枚目:香港の市場で見つけた乾燥した金針菜。

金木犀(キンモクセイ)

《メニュー》金木犀入り白きくらげと卵の炒め、金木犀のお酒
金木犀の花(桂花といいます)が咲いている木の横を通ると、そのふんわりとした甘い香りに振り向くほどです。香水にも使われるその芳醇な香りを持つその花は、中国ではお茶で飲んだり(桂花茶)、デザートで使ったり香り付けに使ったりします。桂花陳酒は金木犀の花とワインでつくるお酒ですし、中国茶の黄金桂は桂花の香りがするということでその名が付いています。粥菜坊では、味の主張が少ない白きくらげの料理に入れています。桂花の香りを感じ取ってみて下さい。

蝦子(シャーズ)

《メニュー》雲呑麺(ワンタンメン)、キャベツの蝦子炒め、蝦子撈麺
蝦子(シャーズ)は、海老の卵を乾燥させたもの。見た目は砂のように細かく地味ですが、海老の香りは凄くて、これを振りかけると、香ばしさがぐう〜と高まります。

干し牡蠣

《メニュー》赤米のお粥”牡丹”、牡蠣の二重層蒸し
乾燥させると旨みが凝縮され、美味しさを一段と増す食材があります。そのひとつが牡蠣。その干し牡蠣を入れて出汁にもなっているのが赤米薬膳粥”牡丹”。そして、牡蠣の二重層蒸しでは、牡蠣と豚肉の合挽きの上に干し牡蠣を乗せて蒸しています。日本国内では、干し牡蠣の料理を食べれる機会はそうはありません。そのクリーミーな風味と栄養価の高さから「海のミルク」と称される牡蠣。味、香り、食感が干し牡蠣と生牡蠣でどう違うのかを感じながら、滋味豊かな料理を楽しんでみて下さい。

豚げた肉

《メニュー》豚げた肉の豆豉(トーチー)蒸し、杏仁薬膳粥-雪華
げた肉はろっ骨の間の肉。ろっ骨を取った後の肉の形が下駄のようだから、このように呼ぶそうで、つまり、豚の骨を取り除いたスペアリブです。この豚げた肉、豚肉の中でもかなり美味しい部位と思っていますが、残念ながらげた肉だけで販売されていません。牛肉はげた肉だけで販売されているのですが、どういうわけか、豚肉はないのです。だから、粥菜坊では塊を買ってきて、自分で骨を取っています。これが、かなり力が要る作業。でも、骨付きだと食べ応えに欠けるうえに、見た目よりも食べれる量がずっと少なくなるため、手間ではありますが骨を取ってお出ししています。


(写真) どうです?下駄肉とよばれる由縁がわかるでしょうか?

咸魚(ハムユー)

《メニュー》ハムユイ炒飯
咸(ハムと発音)は広東語でしょっぱいの意味。咸魚で塩漬けになった魚を言います。粥菜坊で使っている魚は、鰆や甘鯛など。塩漬けにして発酵させるわけですから、独特な香りや味を生み出します。発酵食品ですから、胃腸の働きも整えます。是非、独特な咸魚の風味をお楽しみ下さい。


(写真) 1枚目:塩漬けした後、風に当て乾かします。2枚目:適当な大きさに切ります。3枚目:必要に応じて使えるように保存します。

叉焼(チャーシュー)

《メニュー》チャーシュー、叉焼炒飯、金針菜叉焼の炒めなど多数
どういうわけか、日本で叉焼というと煮豚を指すことが多いようですが、字からわかる通り、焼くものです。広東地方でBBQをやると、先が二股の叉というフォークのような鉄に肉を串刺しにして直に火にくべます。これがまさに叉焼です。粥菜坊では、おつまみに単品でもお出ししてますし、野菜の炒め物や炒飯やら色んな所で使っています。もちろん焼いたものを使っています。

金華ハム

《メニュー》金華ハム炒飯
金華ハムは世界三大ハムにも含まれる世界的に有名なハム。有名ではあるものの、金華ハムは薄切りにして単品で食べることもないですし、残念ながら口にする機会はなかなかないのです。そこで、粥菜坊では手近に金華ハムを楽しんで頂きたく、炒飯に入れたメニューをお出ししています。さすがに漂う香りからして違います。 炒飯の中で何がお勧めかとなると、やはりこの金華ハム炒飯になります。

竹昇麺(広東語でチョッセンミンと発音)

《メニュー》雲呑麺(ワンタンメン)、撈麺(ロウミン)
ごわごわ感いっぱいで、コシの強さが独特な麺。それもそのはず。太い竹を使い、テコの原理で、反対側に麺を置いて全体重をかけて押して作る麺なんです。広東地方に伝わる伝統的製法で、広州の旧市街・西関が発祥。その製法が、口に入れた瞬間、違いが歴然とわかる麺を作り出します。粥菜坊では、スープ麺「雲呑麺(ワンタンメン)」で細い竹昇麺を使い、汁なし麺「撈麺(ロウミン)」で若干太めの竹昇麺を使っています。2種類の竹昇麺、是非比べてみて下さい。

赤いお酢”大紅浙醋”

《メニュー》雲呑麺(ワンタンメン)
赤いお酢(紅酢)を見たことはありますでしょうか。広州や香港といった広東料理の本場では、雲呑麺を食べる際にその紅酢を使っているのをよく目にします。紅酢は、刺激も少なく酸味がマイルド。お酢自体に旨みがあるため、高級食材の料理にも使われます。雲呑麺を食べる際には、スープにドボドボ入れるのではなく、レンゲに少し入れて麺をつけて、つけ麺の様にして食べます。これは、中華麺は潅水(かんすい)を使ってアルカリ性であることから、酸性のお酢で中和させることにより、味をマイルドにさせているんだと思います。粥菜坊でも、雲呑麺と一緒にお出ししています。是非、紅酢を付けた麺の味わいも試してみて下さい。

チキンソース

《メニュー》きくらげのチキンソースうま煮ほかいろんな料理のだし
蒸し鶏を作る際に、チキンを蒸していると濃厚な鶏スープが抽出されます。粥菜坊では、このだし汁をいろんな調理に使いますし、キクラゲのチキンソースでは、鶏肉がはいっているわけではなく、このソースでキクラゲを味付けしたものですが人気高い一品です。

2019.8.1 粥菜坊を彩る品々

焼鵝(ガチョウ)のぬいぐるみ
広州や香港に旅行すると、店頭に焼鶏や焼鴨、焼鵝(ガチョウ)を吊るして販売しているお店を多く見かけます。その真似事をして、粥菜坊では店頭に焼鵝の縫いぐるみを吊るしてみました。北京ダックと思う人も多いかもしれませんが、実はガチョウでちょっと違います。ガチョウの方が、アヒルや鴨より首が長く、頭にコブがあるんです。立ち止まって見ていく人や、写真を撮っていく人が意外と多く、なかなかの目立つ装飾になっています。

翡翠のそろばん
見つけにくいかもしれませんが、壁にそろばんを掛けています。なんと翡翠製です。本物のソロバンと同じような大きさですが、日本のそろばんより大きいし、球が上段に2つ下段に5つあります(日本のそろばんは、上段に1つ、下段に4つ)。そろばんがわかる方なら、なんで上段に球が2つあるんだろうって思うのではないでしょうか。実は、料理や漢方の調合では、よく16進法が使われるからなんです。上段の5球が2つで10、下段の1球が5つで5、次が16で単位が繰り上がるというわけです。今でも、中国で漢方の薬局に行けば、この16進法の算盤を目にできるかもしれません。

振り子時計
粥菜坊が掛けている振り子時計は、粥菜坊の開店に際して中国で購入し、飛行機の中を割らないように手荷物で運んできたものです。ゼンマイで動いているもので、今でも現役。1時間ごとにその「時」の数だけボ〜ンボ〜ンと鳴りますし、毎時30分には一度だけボ〜ンと鳴ります。上の部分の馬の彫刻が中国のものらしくてお気に入りです。ただ、大変なのはひとたび動かなくなると、再度動かすのにひと苦労。振り子を振って、規則正しい動きに乗るまで忍耐強く何度も何度も繰り返すことになります。

スノーレッツ
粥菜坊が使っているお皿にスノーレッツが描かれているものがあります。スノーレッツは1996年長野オリンピックのマスコットキャラクター。多くのお客さんが記憶していて、「これ何だっけ」と話題の提供にひと役買ってます。山崎パンが春のパン祭りで配っていたものなので、少し恥ずかしいのですが、実は、粥菜坊の向かいに山崎パン屋さんがあって、お店を畳む際に使って下さいって新品をごっそり持って来てくれたんです。物を無駄にするのも気が引けるので使ってみると、なんとスグレモノ!軽くて滅多に割れないし、薄くて重ねても高さがいきません。お皿を洗ってる時間がとれず流しの中で山積みになることも多いので、お皿が薄いってとても大切。という訳で、スノーレッツのお皿を気に入って使い続けています。

2.5升瓶の黒霧島
かなり大きな瓶なので気がつく人も多いと思いますが、2.5升あります。実は、この2.5升には意味があります。一升枡(いっしょうます)が2つで益々(ますます)、そして1升の半分で繁盛(はんじょう)、つまり益々繁盛の意味があるのです。贈答用の限定品で、九州在住のお客さんが送ってくれました。送られたのはずいぶん昔ですが、大き過ぎるしリボンも付いているので、なかなか開けられず今日に至っています。

月餅製造器
月餅は何も機械を使わなくても、手作業で作ることができます。そして、粥菜坊が使っている製造機がこれ。中に入れる板を6種類、中国で作ってもらいました。月餅上の刻印の4文字目が、黒・白・紅・仁・気・美を表すようになっていて、4文字目で中身の餡が区別できるようにしています。月餅を作っている様子はこちら。

ミニチュア中国家具
中国のリビングによく置かれている中国家具の椅子とテーブルです。さて、何か日本と違いますね。中国家具では、テーブルを挟んで向き合うのではなく、同じ方向に椅子を置くのです。パイプくゆらせながら会話を楽しむ光景ふが目に浮かびそうです。

料理の神様のお守り
千葉県に日本にただ一つの料理の神様を祀っている神社があります。高家(たかべ)神社と言います。春や秋に行われる庖丁式では、料理人が手を触れることなく鯉をさばく、伝統の技が奉納されます。その模様を描いたのがこのお守り。神社に襖絵を描いた方が粥菜坊のお客さんでこの神社を知ることになり、近くを訪れる際はお参りしてます。


竹簡(ちくかん)

昔、紙がまだ発明されていなかった頃には、こんな感じで竹に文字を書いて記録を残していました。ここに記されてるのは、『茶経』(ちゃきょう)といって、唐の時代(8世紀)、陸羽によって著されたお茶に関する最古の書です。
花絵文字
中国伝統芸術のひとつで、縁起の良い絵柄の組み合わせで文字を描いたもの。粥菜坊という文字の中にいろいろな動物や花、縁起物が見えますでしょうか?
爆竹
爆竹は、筒に火薬が詰めてあって、導火線に点火して爆発させて大きな音を鳴らす花火の一種です。魔除けの意味があるにで、見た目の綺麗さはないけれど、とにかく爆発音が凄くて鼓膜に響くって感じです。今では都市部での使用は制限されてますが、結婚式やお墓参りでも使うので、まだまだ身近な存在です。
発財樹(金のなる木)
日本ではバキラと呼ばれる金のなる木。中国では、発財樹と呼ばれます。でも、観葉植物ですから、枯れてしまいます。そこで、こうした縁起物をいっぱいくっつけたキンキラキンの発財樹があります。
小鳥と鳥籠
中国では、公園や広場で人が集まってダンスや太極拳をしたり、歌を歌ったりしているのをよく見かけます。その中で、鳥の散歩ってことでしょうか、鳥籠を持って集まっている人たちがいます。こうした集まりは高齢者によく見られ、高齢になっても社交的で、孤独死なんてあまり考えられない社会です。

景勝地桂林と牡丹の花の掛け軸
本来なら広州を描いた画を掛けたいところですが、景勝地という面では広州がかなわない場所が中国国内にはいっぱいあります。粥菜坊が掛けているのは、桂林の漓江を描いた水墨画。春夏秋冬がそれぞれが描かれています。夏の絵には、象の鼻と呼ばれる有名な観光スポットが描かれ、これに気付く方もおおいかもしれません。さして、中央に飾っている画は、牡丹。牡丹は中国の国花なんです。赤くて艶やかであり、それほどケバケバしくない牡丹の画を選びました。気に入っています。

パッチワーク
トイレの前とトイレの中に飾っているパッチワークは自家製です。粥菜坊がオープンする直前に作りました。パッチワークをする女性も多いので、これを飾っておくと、話題のきっかけになったりします。パッチワークをする人は、是非パッチワークのお話をしたいです。

粥菜坊の看板
銅板で作った粥菜坊の文字。よく中国の古い字体として使われる隷書体(れいしょたい)よりも、さらに古い篆書体(てんしょたい)とおう字体で作りました。秦が中国を統一した(紀元前221年)よりも前の春秋戦国時代に整備された字体だそうです。

グレーレンガによる壁
壁紙ではなく、グレーレンガを遠方より取り寄せて壁を作りました。中国の古い町並みなどでもよく見かけるグレーレンガは、どこか懐かしい空間を作り出すので外装で一番こだわった部分です。

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